2006年07月30日

決算期の引渡しはダメダメ

この話は住宅メーカー全体とは限らないのですが、と前振りさせていただきます。

前の記事に書いたとおり、建物本体の引渡しがその住宅メーカー(以下:メーカー)の引渡しと重なる場合、要注意!です。
半年毎の決算を前に、メーカーは売上げ対象のお施主様の物件を竣工させようと必死です。

雨などで遅れた前工程(基礎や建方など)の工期のズレを後工程(内装・仕上げ)で吸収させて期日に間に合わせるのですから、無理が無い方が不思議です。
間違えた施工に気付いて直す場合も、本来ならその部分を一からなんでしょうけど、内装の大工もなんとか終わらせようと焦っています。
とてもそんな余裕はありません。

そこで、目に見えないところでは端折ってしまうわけです。
内装なんて造作の下地がボードで隠れてしまえばまったく見えないわけですから。

ひどい所では下地の桟木があちこちツギハギ、と言うのも何度と無く目にしました。
それも名の通った有名メーカーの現場で、です。


メーカーの現場監督も「こんなに受け持ったら一日で回りきれないでしょ?」と言う件数を任されています。
設計の担当者も同様です。

今、家を建てている方がいらっしゃったら、その物件に監督さんは毎日顔を出していますか?
また、どのくらいの時間そこに居て、打ち合わせや確認をしてるでしょうか。
下請の「○○建設」や「◇◇工務店」に任せっきりではありませんか?

監督自身がそのメーカーの社員じゃなくて、「一軒あたりいくら」で請け負っている契約社員も多いです。
出した利益の何%かがその人の収入だったりしています。

設計の人も毎日の件数をこなすのに忙殺されて、仕事の内容が設計では無くなってる人も多数います。
検証する時間が足りていないんです。


ある現場では「窓が大き過ぎて、エアコンの巾が壁に納まらない」と言う問題が出てしまいました。
現行品のエアコンなら巾の狭いものがありますが、一般的な物では窓にかかってしまう。

お施主さんは怒りが収まりません。
「窓を一回壊して造り替えて欲しい」と繰り返しています。
窓を小さくするには外壁も内壁も壊して、場合によっては柱の移動さえ必要になります。

構造計算から申請までやり直さなければならないかも知れません。
そこまでする費用のゆとりは大手メーカーにもありません。
一物件あたりのコストも極限まで圧縮されていて、予備費用として見ているはずもありません。

そこまで見通しているお施主様のクレームだったんでしょう。
結果、窓は直さずに費用の減額で手打ち、設計の担当者はかなりの処分をメーカーの社内で受けた様です。


お施主様は「このメーカーなら安心」と思って契約するのでしょうけど、実態はこんなものです。
むしろ、地場の昔ながらの工務店の方がフレキシブルに対応出来るかも知れません。
提案力や自社のモデルハウスはありませんが。


安心を得るために代価として高額な費用を払ったのに、中身は極限までコストを圧縮されているため、非常にチープなプレファブ(pre-fabrication)で、管理も検査も外注・下請。
宣伝広告費にかけるウエイトも高く、余剰人員を食わすのにもコストがかかって頭痛の種。
そんなメーカーが多いですよ。

引渡し前のドタバタ、監督も職人も疲れ切っていて、集中力も欠けています。
ケアレスミスや労災事故も出やすいし。


そうそう、検査を利害関係の無い第三者の検査機関に依頼するのは余計なコストが掛かるけど、無駄どころか大変有益だと思いますよ。
是非、ご一考を。
posted by 謎の住宅設備屋 at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ナイショ話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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